生命保険を利用した相続税の節税方法について解説します。
生命保険の非課税枠を使おう!
相続により、生命保険金を受け取った場合、受け取った生命保険金にも相続税は課せられます。
ただし、一定額までは、非課税とされます。
ですから、非課税枠を有効活用することによって、相続税の負担を軽減することができます。
生命保険金を受け取った場合の非課税金額はいくらか
生命保険金を受け取った場合、法定相続人の数×500万円が非課税金額の上限額となります。
例えば、相続人が、妻・長男・次男・長女の合計4人の場合は、
4人×500万円=2,000万円
2,000万円までの生命保険金が非課税となるわけです。
具体的な節税対策
節税方法の仕組みが分かったところで、もう少し、具体的に見ていきましょう。
例えば、次の条件で相続が発生したとします。
・相続人は4人
・相続財産は、現金4,000万円、不動産6,000万円、の合計1億円
(分かりやすくするため、各種特例の適用は考慮しないものとします。)
この場合の相続税がいくらになるかと申しますと、
課税財産1億円から、基礎控除額5,400万円(*)を控除した4,600万円に相続税10%が課せられるため、
相続税総額で460万になります。
(*)3,000万円+600万円×4人
これが、生命保険に加入することによって、下記のようになります。
・相続人は4人
・相続財産は、現金2,000万円、不動産6,000万円、生命保険2,000万円、の合計1億円
(現金2,000万円を使って、保険金2,000万円の生命保険に入ったものとします。)
この場合の相続税は、
まずは、課税財産1億円から、生命保険の非課税2,000万円(*)を控除します。(1億円ー2,000万円=8,000万円)
(*)500万円×4人
8,000万円から、基礎控除額5,400万円を控除した2,600万円に相続税10%が課せられるため、
相続税総額で260万になります。
現金を生命保険金に変えただけで、200万円の節税をすることができました!!
この場合、200万円の節税となりましたが、遺産総額の大きい人ほど大きな節税効果が期待できます。
生命保険に加入するときの注意点
保険の種類や、保険料負担者などによって、非課税枠を使えない場合もあります。
保険加入時に、非課税が使えるものであるかどうかをしっかりと確認するようにしましょう。