日経新聞に、「邦人の資産隠し調査、国税庁、海外口座、40万件情報入手。」という記事が載っていました。
今までは、日本の国税庁は、海外の情報を収集しにくかったため、手っ取り早く脱税をする方法として、海外に資産を移転させたり、海外で所得を得たりというものがありました。
しかし、それらの資産隠し、所得隠しに対応できるようにするために、経済協力開発機構(OECD)が策定した新制度「共通報告基準(CRS)」と呼ばれる仕組みによって、今回、国税庁は情報を入手したようです。
この仕組みがどういったものかと言うと、経済協力開発機構に参加している国や地域に対して、日本国内の口座情報などを外国に渡すかわりに、日本国外の口座情報などを日本がもらうというもののようです。
日本では、5,000万円超の財産を国外に保有している場合、「国外財産調書」の提出が義務付けられています。
しかし、国外財産調書によって報告された件数は、2016年分で、わずかに9,000件に留まっているということです。
今回入手した情報が40万件に及ぶことを考えると、相当数の国外資産の隠蔽があると考えられるのではないでしょうか。
本来、租税は公平に行われるべきものです。
しかし、実態を見ると、資産をあまり持ってない人から大きな割合が徴収され、資産家ほど、今回の話のように、国外を活用したり、いろいろな方法を使って、租税回避が行われています。
このような現状を是正するためにも、国税庁には、この調子で、どんどんがんばってもらいたいものです。