「声優のための確定申告講座 その3」では、利益が出ないうちは、白色申告がおすすめと書きました。
ですから、まずは、白色申告で十分だと思います。
しかし、いつ売れ始めるか分かりません。
売れ始めてから、青色申告の準備をしては遅いのです。
故に、いつでも青色申告に切り替えられるように、事前の届出だけは先に出しておきましょう。
というわけで、今回は、青色申告をするための事前の手続きについて説明します。
過去分は、こちら。
青色申告をするために提出が必要な書類
青色申告をするためには、「所得税の青色申告承認申請書」(以下、「青色申告承認申請書」とします)を税務署に提出する必要があります。
また、開業届(正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」。以下、「開業届」とします)も提出している必要があります。
開業時に開業届を提出していなかった場合、青色申告承認申請書と一緒に開業届も提出しましょう。
青色申告承認申請書の提出期限
青色申告承認申請書の提出期限は、すでに開業している人の場合と、今年開業の人の場合で提出期限が分かれます。
すでに開業している人の場合
すでに開業している人が今年から青色申告をやりたいと思った場合、今年の3月15日が提出期限になります。
すでに、今年の3月15日を過ぎてしまっている場合は、残念ながら、今年は青色申告はできません。
青色申告は来年からになりますが、必要な書類は、忘れないうちに、すぐに提出してしまいましょう。
今年開業の人の場合
今年の1月1日から1月15日までの間に開業した場合、今年の3月15日が提出期限になります。
今年の1月16日以降に開業した場合、開業日から2ヶ月後が提出期限になります。
それぞれの場合で、提出期限を過ぎてしまった場合、今年は青色申告はできません。
来年以降に備えましょう。
声優のための開業届の書き方
青色申告をやるためには、開業届の提出が必要となるので、
青色申告承認申請書の記入方法の説明の前に、まずは、開業届の記入方法の説明をします。
開業届の雛形の入手方法
次のいずれかの方法で、開業届の雛形を入手できます。
・国税庁のホームページ
国税庁のページからPDFでダウンロードが可能です。
公式サイトなので、間違いがありません。
・税務署でもらってくる
PDFをダウンロードできない、印刷できないという方は、税務署で記入用紙を配布しているので、お近くの税務署で開業届をもらって下さい。
・このページの見本を使う
このページで紹介している開業届見本はここからダウンロードできます。(2022年12月時点の書式に従っています)
見本の黒字部分はすでに記入済みなので、見本の通りに作成したい方は、こちらを使われると簡単に作成できます。
必要に応じてご利用下さい。
開業届の記入方法
開業届の記入方法は、次の見本を見ながら説明したいと思います。
※見本注釈
記載内容は、一般的な声優業に対応したものです。
赤字で記入している部分は、変更を要するもの。
黒字で記入している部分は、見本そのままでも構わないもの、となっております。
①所轄税務署
ご自分の所轄税務署名を記入します。
所轄税務署は、国税庁のページから調べられます。
②「開業」に丸をつけます。
③納税地
「住所地」を選択し、ご自分の住所地の郵便番号と住所を記入します。
また、連絡先として、電話番号を記入します。
電話番号は、携帯電話の番号でも構いません。
④上記以外の住所地・事業所等
声優業をするための事務所などをお持ちの場合は、事務所の所在地を記入します。
ここで言う事務所とは、所属事務所のことではなく、自分専用で使う事務所・作業場所などのことです。
したがって、一般的には、記入の必要はありません。
⑤氏名
本名とフリガナを記入します。
また、(印)のマークがあるところに、印鑑を押します。
印鑑は、認印で構いません。
※令和3年4月から押印の必要がなくなりました。
⑥生年月日
元号を選択し、生年月日を記入します。
⑦個人番号
ご自分のマイナンバーを記入します。
⑧職業
「声優」や「俳優」と記入します。
どう記入するかの決まりは特にないので、ご自分の好みや今後の方針・目標に合わせて選んで下さい。
⑨屋号
芸名を使われている場合、芸名を記入します。
本名で活動されている方は、記入の必要はありません。
⑩届出の区分
「開業」を選択します。
⑪所得の種類
「事業(農業)所得」を選択します。
⑫開業・廃業等日
元号を選択し、開業年月日を記入します。
事務所に所属した日か、初めて仕事をした日のうち、早い方の日を書くといいと思います。
正確な日付である必要はないので、だいたいの日で十分です。
⑬開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
基本的には、見本の通りに、「青色申告承認申請書・・・」の方は”有”を選択、
「消費税に関する・・・」の方は”無”を選択して下さい。
⑭事業の概要
ご自分がやっている、これからやるであろう事業(声優業)の内容を記入します。
見本では、「アニメ・ゲーム・吹き替え等のアフレコ、ナレーター、ラジオ出演、ライブ等イベント出演、舞台、歌唱」としていますが、必要に応じて、追加や削除をして下さい。
ここに書いてない業務をやったからといって罰則があるわけではありませんし、
逆に、書いてある業務をやっていないからといって罰則があるわけではありませんので、だいたいで大丈夫です。
上記以外
基本的には、上で説明した箇所以外は、記入の必要はありません。
開業届の印刷は2部する
開業届の記入が終わったら、印刷します。
印刷は、提出用と自分用の控えで、同じものを2部印刷して下さい。
(なお、国税庁の雛形や、当サイトからダウンロードしたものは、1度の印刷で、提出用と控え用の両方が出力されるようになっているので、2部印刷する必要はありません。)
(手書きの場合、コピーを取ってもいいですし、同じものを2部手書きされてもいいです。)
終わり
説明用の見本を作るのが、ものすごく大変でした。
しかし、次回は、青色申告承認申請書の見本も作らなければならない(;一_一)
大変だあ。
次回、「声優のための確定申告講座 その5」では、青色申告承認申請書の書き方をやります。
続く!!
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